いつもと逆のアプローチ

ようこそ「スタジオ・ディゾンネ」へ

山形・福島より「整理収納×アロマ×カラー」を提唱する快適空間コンサルタントの山内陽子です。

 

私たち整理収納アドバイザーやコンサルタントがお客様にお伝えしているいくつかの大切なことがあります。

 

その中の一つに「持ち物は使用頻度別に収納する」というのがあります。

 

最も使用頻度の高いもの(毎日使うもの)から順番に優先的に収納場所を決めて行くのが基本となります。

 

けれども、この度、ちょっとこれを覆すご提案をさせて頂いたお客様がありましたので、

それについて書きたいと思います。

 

私は、初回のコンサルティングに伺ったとき、とにかくお話を聞くことに徹します。

それは、そのご家族のことをよく知りたいから。

知らないお宅に行って、いきなり私の好き勝手に片付けたとしても、

それはもう100%リバウンドしちゃいます。

 

なぜかと言うまでもないことですが、

お家の中の暮らし方や、使い勝手は、千差万別だからです。

不動産広告の通りにお部屋をつかっているとは限りませんし、

ご家族構成もみんな違いますし、

趣味や癖、身長などなど・・・みんな違う要素をお持ちです。

 

だから、最初はとにかく聞きます。いきなり喋るのが苦手な方もいらっしゃいますので、

その場合は、こちらからいくつか質問をさせて頂いてきっかけを作ります。

 

お話の内容から、その方が大切にされていることや、暮らし方、想いなどから

これからご提案する、その方にとって使いやすいと思われる

収納システム案を予測するのです。

 

で、今回は・・・

お客様は、もう独立されたお子さんがたの思い出をリアルに手元にもって

暮らしておいででした。

 

減らさないといけないし、捨てようとも思っているし・・・とおっしゃっていますが。

本当にそう思っているから、私を呼んでくださったのですが。

 

けれども、そういう思い出のかけらがたくさんあって、それが日常生活のスペースに

ちらし寿司のように(思い出を)輝かせて散らばっているのです。

そして、思い出のかけらごとに、スラスラとお話が出てくる。

 

つまり・・・

 

心の時間がまだそこにある。

 

そこで逆転の発想。

あえて思い出のもののためにかなり大きなスペースを確保することを

決めました。

とにかくご家族想いのお客様は、それらを飛び越えての「わける」が

難儀のご様子でした。

なので、決めたスペースにとにかく家中にある思い出を集めてみましょう!とご提案させて

いただきました。

 

それを処分してから・・・なんていうのは、今のお客様にはおそらく喪失感しか残らない

でしょう。そんな気がしました。

 

大切な思い出は、しっかり場所を確保して、そこへ集結し、

そこに入らない日常の生活に使うものだけを残したら、日常品を「わける」作業へ。

日常品の分ける作業が終了したら、きっとそのままの流れで

ご自分で思い出を「わけ」られるようになると思いました。

 

ゆっくりな、甘々なスタートかもしれませんが、

きっとこの1歩の意味は大きくて、次の2歩、3歩につながるように思います。

 

一緒に頑張りましょうね!